焼物が出来あがるまで

地元新庄の土を水で濾過して、不純物や小石をメッシュ(ふるい)で分けます。
さまざまな原料を配合して、オリジナルの陶土にします。
画像は菊練りと呼ばれる作業で土の中に入っている空気を抜いているところです。
昔から陶芸の世界では、菊練り3年とよくいわれています。一人前の菊練りの型が出来あがるまでに3年かかるという意味です。
砲弾状にして、轆轤の上に据えます。
土殺しと呼ばれる作業です。水を加えて潰したり、上に引き上げたりして、作成するのに最適な固さにします。
上に同じ
中央に窪みを入れていきます。
ここでは、壷つくりの工程に入ります。
作業中の作者(たきちゃん)
陶土をつまんで引き上げています。
陶土を紐状に組み上げて、大きくし、形作っていきます。
壷の形が出来上がってきました。
このあと乾かして、素焼き工程に入ります。
画像は轆轤引後の半乾燥をしているところです。
これから一晩おいて、底の加工に入ります。このうち約一割は失敗作とみなし潰します。約三週間日陰でじっくり乾燥させます。水分をしっかり取らないと、焼きの段階でひび割れや、破損を起こします。とにかく、はやる心を押さえて、注意深く乾燥させます。約一割の出来のよくないものは壊します。
裏返して半日乾燥します。
高台部分を削り終えたところです。
素焼き作業は約800度で焼きます。
画像は覗き窓から窯の中を覗いています。あたり一面赤の世界で何も見えなくなります。最初は弱く、だんだん強くしていって指定温度に達したら次第に弱くしていきます。この作業は丸二日かかります。朝も晩も土は燃えて、身を溶かしてかたまります。急熱急冷はタブーです。
画像は素焼き後の作品です。
ヒビの入ったもの、変形したものはガーデンのアプローチに使います。更に約一割が破棄されます。グローブをはめて窯だし作業をします。手の油がつくと、そこだけ色が乗らなくなってしまいます。埃もきらいますので、一両日中に次の工程に入ります。
画像は釉薬を掛けた状態です。
釉薬が剥がれないように、気をつけながら再び窯の中に入れられます。
本焼きは約1250度の高温で焼いています。
画像は覗き窓から窯の中を覗いています。色はちょっと違いますが、もっと白いオレンジの世界になっています。この中で、釉薬をまとった作品が燃え滾りながら、丸二日かけて美しい色に変身します。窯の近くは熱くなり、夏場は大変です。
不良品を除いて、良いと思ったものが展示コーナーに並びます。